アマンダおばさんの
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4月3日(木)

<末っ子の就職>

先月28日、末っ子である三男の大学院の卒業式が執り行われた。子供4人の養育を延々と続けてきた私たちだがこれでやっと親の扶養義務から解き放たれ、お役目御免になった。長女は4年間だが男の子3人はそれぞれ6年間大学で学ばせていただいたことになる。精神的にも経済的にも一大事業を成した感が拭えない。ひとえに主人の精神的バックアップと父の経済的援助のお蔭様・・・と新たな感謝の気持ちが湧いてくる。
 教育こそが財産と考えている私達は残してあげられる金銭など他にないが、今までもそして今後子供達に望むことは、社会のお役に立てる人間になること、そして「兄弟がいつまでも仲良く」ということに尽きる。親にとって生んだ子達の仲が良くないことぐらい悲しいことはない。昨年起きた歯科医師宅の妹バラバラ事件や最近も無作為に8人を殺傷した青年は実は妹を殺したかったと報道されている。恐らく兄に向かって軽口あるいは暴言を吐いたためだろう。兄弟仲は子供のときから親がどう育ててきたかが問題になる。
 その一つは、「長幼の序」がどれだけ実行されていたかだと思う。世の中すべて序列が必要である。序列がなくなるところから秩序が崩れてくる。企業で言えばおおまかに、社長がいて部長がいて課長、平社員と続いていく。序列があるから企業として成り立っていく。これが同等だったらどうなるだろう、社長が2人も3人もいたらどうだろう。誰の指示を仰いだら良いか迷ってしまう。また、全てを全員で相談しながらやっていくのではいつまでも結論は出ない。人を見たら相手は目上か目下のどちらかだ。では友達はどうだろう。友達は目上と思って接して間違いない。目上には敬を、目下には愛情を持てば良い。しかし、相手から見て自分が目下だからと言って人として劣るかと言うと決してそうではない。人間全て平等であることに変わりない。そのことが理解できず、また家の中で序列というものに慣れていないと、社会に出た時に目上に合わせることが出来ずに落ちていく。末っ子の三男によく言うことは、「Y(三男)が今日あるのはお父さんと、そして兄や姉の居るお蔭なのだ」と。実際下の子は良いことも悪いことも上を見て学習しているので楽に進めるのだ。その分上に感謝していかねばならないことを親は伝える必要がある。兄弟の仲は下の子をどう育てるかが鍵になる。もちろん上の子を敬されるに値する立派な人間に育てなければならないことは言うまでもない。下は上を真似して、あるいは影響を受けて育っていくものだからだ。下の子が上を敬することで上は下に愛情を注ぐようになり、ひいては先に経験して知っていることを弟妹に喜んでアドバイスするようになるだろう。
 家庭の中で序列を体得してきた子供は社会に出たときにスムースに序列社会に適応していく。少々無理難題を言う上司でも相手が目上だから合わせていくのだ。肌が合おうとも合わずとも関係ない。ひたすら目上だから合わせるのだ。無理難題を言う上司に合わせていくことで合わせた本人が成長しりっぱになる。目上が本当に間違っている場合は、目下があれこれ言わなくとも自然が何らかの形で目上本人に気付かせてくれるから心配はない。
 仲の良い兄弟に育てる要のその二;どの子も平等に愛情をかけること。親にとって相性の良い子とそうでない子があるかもしれないが、子供の美点を見続けていけば「えこひいき」などという現象は起こらない。どちらの親御さんもそうだろうが私たちも子供達一人一人のどの子をも宝石以上に大切な存在と感じている。
 その三はいうまでもなく夫婦仲が良いこと。自分たちの仲が悪くて子供達に「喧嘩しないで」とどうして言えようか。終生子供達の仲が良いことを望むのであれば夫婦の和に努めるべきだと思う。
 主人と子供達の仲が良いのは有難い。この度社会人になる三男も年金のことやその他必要書類についてメールや電話で度々主人に聞いていたようだ。社会の先輩に教えを乞うことは他にも数多くある。父子の仲がスムースでコミュニケーションがないとその分社会生活で見落としが出てくるので本人にとっては損失だ。父子の仲がぎくしゃくしていると実社会に出てから上司ともうまくいかないことが多い。親は子に模範となれる行動を示さなければならない。子は 特に父親には常に尊敬の対象でいて欲しいと願っているのだ。父親を尊敬し子供達4人がとても仲が良いこと、これに勝る幸せがあるであろうか。
 必要なくなった三男の車を引き取りに神奈川に出向いた主人、在学中お世話になり親しくしていただいた大家さんやジーパン屋のご主人に挨拶に行くと人生の先輩達にどれだけ可愛がっていただいていたかがわかった。これからも多くの方たちとの触れ合いによりたくさんのことを学ばせていただきたいと願っている。
 祖母、姉、兄、義兄そして私たち夫婦にお祝いの席を設けてもらい、今月1日三男はヨーロッパに本社を持つ外資系企業に就職させていただいた。「出来るだけ多くの人と関わる仕事に就きたい」「より厳しい状況に身を置いて自分を鍛えたい」という観点から応募し採用していただいた企業だ。 社会の人々のお役に立てる人間になるべく、日々自分を磨いていって欲しいと願わずにはおられない。
 末っ子の就職で、日頃心がけていた「子は天からの授かり物であり預かり物である」4人の宝物をすべて社会にお返しさせていただいた気がする。




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