アマンダおばさんの
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12月25日(金)

クリスマスの思い出>


時まさにクリスマス! この不景気でクリスマスどころではない方もおられるのではないかと思う。が、この日だけでもしばし憂き世を忘れて夢の世界に浸りたいものだ。
 私の子供時代は今ほど物が溢れている時代ではなかったので、クリスマスにもらえるプレゼントがそれはそれは貴重なお楽しみでありました。両親が不仲の暗い家庭ではあったが、お祭りというと何か異常に興奮する父で、妹と2人でもみの木を買いに行かされ、でんと構えた大きいツリーに飾りをするのが毎年の慣わしだった。祖父、祖母、おじ、おばまで呼んで、阿弥陀でそれぞれのケーキを当てたり、ゲームをしたり・・・とたいそう賑やかな宴になるのだった。サンタのおじいさんを信じていた子供の頃しーんと静まり返った夜中の枕元にそーっとミルク飲み人形などプレゼントが置いてある不思議さに驚きと嬉しさで胸一杯になったことが思い出される。
 子供のとき親にしてもらったことは子供にも同じ様にする傾向にあるようだ。4人の子供達の枕元にはお菓子のつまった赤い長靴と共に同じ様にプレゼントを置いた。早朝に起き出した子供達がそれぞれのプレゼントを手にして嬌声を発している様子を見るのがこれまた楽しかった。
 15年間ほど学習塾を主宰していたが、クリスマスは近くの集会所を借り切った。大勢で英語の単語カルタ、メランコリー、英語の歌他ゲームやプレゼント交換をした。夜の中学生の部では、もっぱらお勉強が中心でパーティーはあまりしなかったが、中には塾生の発案で皆でクリスマスケーキを作ったり得意の芸を披露した和気あいあいのクラスもあった。あの子達は今どうしているだろう。きっと皆良いお父さん、お母さんになっているに違いない。今でもあの頃の懐かしい光景を時折走馬灯のように思い出す・・・。
が、クリスマスで最も印象深いのは、「ハレルヤコーラス」かもしれない。
 クリスチャンではなかったが、その頃近くにあった中学校が柄が悪く、小学時代はちょっとしたプチマドンナだった(今では見る影もないが)私を両親が心配して、こともあろうに女子だけの中高大一貫のミッションスクールに入れたのだった。何だか知らない間に中学受験のための勉強をさせられ、ない頭をフル回転させてかろうじてそのころトップの中学に入学はしたものの、(注;トップといってもたいしたことはないが)合格した喜びもつかの間、全然、全くといってよいほどわたくしめの肌に合わない校風・・・、第一、小学校時代は男の子にちやほやされるのが嬉しくて学校に通っていたのに、その楽しみがなくなったら行ってもつまらないではないか。もともと男の子のさっぱりした気性とは馬が合うが、女の子のねちねちは苦手だった。いわゆるお嬢さん学校だったのでさすがに辛らつないじめをされた記憶はないが、自分一人だけが浮いている感じを何年も継続しなければならないのには辛いものがあった。朝「行ってきまーす」とうつむきかげんの暗い表情で出ては行くが、遅刻をしたり、昼ごろになると息苦しくなって保健室で寝ていることもあった。あるいは同じ構内にあった音楽科のピアノ室でピアノを弾いていた。数学(高校)などはちんぷんかんぷんで、先生に質問は?などと聞かれても何を質問したらよいのかさえわからない。数学の先生に「こんなの勉強して何の役に立つんですか~」と居直ったあげくに食ってかかったが、今でも足し算・引き算は電卓にお世話になっているので熱心に数学をやらなくとも一向に不便さを感じない。よって後に開いた塾の数学は他の講師に頼んで教えてもらった。
 思い出してもぞっとするこの学校で唯一の楽しみはクリスマスに全員で合唱する「ハレルヤ・コーラス」だった。11月に入りアドヴェントと称するクリスマス前の4週間を中心に全校生徒がアルト、メゾソプラノ、ソプラノの3部門に分かれてあのへンデルのハレルヤコーラスを練習するのであった。ドイツから仕入れたというパイプオルガンのある本格的な礼拝堂で、中学、高校と6年間歌った。発音は、アメリカ人講師Ms.L から正しい英語の基礎をみっちりと仕込まれた。もともと英語は中学の入学以来この先生に教えられているので、これ以外の発音を知らない。初めに覚える発音が大事と言われるが、公立の中学に行った小学校時代の同級生の発音が全く違う星の英語に感じられ聞き取れなかったほどだ。もっとも日本なまりの英語、ドイツなまりの英語、フランスなまりの英語、東南アジア風英語・・・いろいろあってそれはそれで良いのだが。ともかくも、RとLの違い、VとBの違い、FVの口唇歯の使い方、MとNの違いを始め、aeの中間æの発音、iは「ィ」ではなく日本語のィとエの中間のあいまい母音であることなどなど、ネイティヴ英語の基本をしっかりと身につけることができた。大学時代、及びその後を通し、L.女史にご教授いただいた正しい発音の基礎がどれ程役にたっているかわからない。
 何語でもそうだと思うが、合唱は発音がとても大事だ。毎朝の礼拝で歌う賛美歌での修練を積んだ母校の「ハレルヤコーラス」は、それなりに格調の高いものだったと、私が言うのもなんだがそう確信している。

皆様の中で思い出のクリスマスはどんなだったでしょうか?

<注;掲載のクリスマスカードは、いずれも1900~1950年のアンティーク>


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Copyright(C) 2001 S.Miyazawa
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