アマンダおばさんの
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3月29日(月)

悲しい知らせ、嬉しい訪問>

パンジー(すみれ)の花は今年の冬も見事に耐えぬいた。ここ仙台の私の庭では他の種類が全くだめだが唯一パンジーだけはOKなのだ。時にその存在を忘れかけるほどの雪の中に埋もれ、大嵐や乾燥に耐え、必死に生き抜いてきた・・・今、春を迎え、蓄えてきた満身のエネルギーを解き放つ・・。かつて「風と共に去りぬ」の著者であるマーガレット・ミッチェルは、主人公の名をスカーレットではなしに当初は「パンジー」と名付けたと言われるが、なるほど、と思う。その秘めた情熱は、どんな嵐にあっても怯むことなく果敢に立ち向かって行く・・。姿形の優雅さと相まってまさにパンジーそのものではないか。この時期になると毎年きまって可憐かつ勇猛果敢なパンジーの偉大さに感動する。
 
1ヶ月も前のことだったろうか、電話が鳴った。受け取ると押し殺した声の主はかすかに聞き覚えのあるワンコを譲渡したオーナー様の声だった。「実は・・お譲りいただいた~が車にぶつかって亡くなってしまったんです・・・。」「ええ~?!」 一瞬頭の中が真っ白になった。記憶の糸を手繰り寄せると、ああ、あの~君、6ヵ月半まで幼稚園組のお部屋で他の子たちと一緒に遊んでやっとファミリーが決まった・・・。確かお嬢さんが喜んで通園するようにと送り迎えに~君を連れて行きたいとお話されていたあの子・・・。岩手・宮城内陸地震の震源地近くに住まいがあったその日は譲渡して1週間目、突然の激震にお子さん方が子犬をテーブルの下に抱きかかえて揺れが収まるまで避難してくれたと聞いていた。バッタを追いかけ、土掘りに興じたというお便りに思わず微笑んだものだった。ご家族の皆さんや従業員の皆さんにはとても可愛がっていただいていたようで、20数名いる従業員全員の顔を覚えていてそれ以外の人が来ると吠えるのだそうだ。とても賢い子だったようだ。子犬時代今でもあの子がいたサークルの場所を覚えている。4頭兄弟がサークルの端に一斉に並んでこちらを見て話しかけていた。あの子は兄弟の中でもファミリー行きが決まるのが一番遅かった、が譲られていった2年間は心やさしいオーナー様のもとでどんなにか幸せな生活を享受したことか。だが、お庭でトイレをする習慣が仇になった。ちょっとした隙に庭を抜け出し、めったに通ることのない車にぶつかったのだと言う・・。きっと天国で「もっとみんなと一緒に居たかったなー」と思っていることだろう。2歳半やそこらで犬生を終わってもらいたくはない、あと10年以上生きて欲しかったのに・・・と思うと犬舎にいた頃の様子を思い出しては涙が頬を伝って流れ出た。
 
決してオーナー様を責めているのではない。かく言う私もコーギー犬を交通事故で死なせている。裏戸から駐車場まで歩道を通って自ら移動するくらいだからこの子は絶対車道に出ない子だ、と勝手に決め付けていた。食事をしに外出する私たちを追ったのだろう、力任せに引っ張ったであろうリードの金具がはずれた。中型犬用の頑丈なフックで、どう考えても開くことはないはずなのに。近所の人から知らせがあり、急ぎ駆けつけると目をあけたままのボニーが横たわっていた。体はまだ温かかった。車にぶつかってはじき返されたのだろう、口の中にわずかに出血が見られるだけで外傷はなかった。内科的ショックで心臓がやられたのだ。まだ若い体にふさふさの毛・・、まるで何事もなかったかのように今にも起き上がりそうだった。だがほんの1時間前に見た躍動感溢れるボニーはいまや物言わぬ屍と変わり果ててしまった。あまり人に懐かないワンコだったが、主人にだけは懐いていた。毎朝散歩に連れて行っていた主人は男泣きに泣いた。癌で亡くなったゴールデンのシオンは半年前には予告されていて覚悟があった。だがボニーの死は突然のできごとだったのだ。
 
里子に出したわんこも亡くなった子が何頭かいる。公園でリードを離して自由にしたとき暴走して車に引かれた子、宅配便のおじさんに印鑑をと言われ奥の部屋に取りに行っている間に玄関から出て行方不明になり事故で亡くなった子。
 
オーナー様にはくれぐれもご愛犬の安全には十分気をつけていただきたいと思うものであります。
 
先日秋田よりヨークシャテリアのリズちゃんがお顔を見せに来てくれた。お寄せいただいた動画でもいろいろな芸を御披露目してくれたが、今では10数種類ものおもちゃの区別ができるそうで、その中から「~を持っておいで」というとちゃんと持って来るそうだ。ナーサリーにいるときから話しかけると首を右左に曲げては言っている意味をわかろうとする賢い子だった。行った当初は「メッセージ」の中にオーナー様が書いておられるようにやけにお耳の長いヨーキーだなーと私も思っておりました(今だから話しますが)、だが2年経ち再び会ったリズちゃんは、本当にバランスの取れたお顔の素敵なヨーキーちゃんになっておりました。いずれにせよ、お譲りさせていただいたワンちゃんと元気な姿で再開できるのが何よりの幸せです。<お出でいただきます際は予めご連絡くださいますように・・。>
 
皆様方に、命あるワンコには細心の注意を払い、どうぞ寿命までの10数年間を大切にお世話くださいますよう心よりお願い申しあげるものです。




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