アマンダおばさんの
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9月7日(金)

2プードルとの別れ

夕方庭で水を撒いていると微かな秋の訪れを風が教えてくれる。今日はバラの小枝に止まったトンボ第1号発見! ちょっと前まで続いていたかの灼熱の夏が少しずつカームダウンしている今日この頃だ。
 先日長年交配のオスとして活躍してくれたシーザーが里子で譲られていった。7歳まで精子が元気で、子犬を産出してくれていたが、スタッフが顕微鏡で見たところ最近はほとんど機能していないことがわかり引退を決意していたところだった。年齢を重ねたと言ってもお顔の可愛らしさは未だ健在で、ぱっと見た感じ華がある。8年ほど前は本物のティーカップがあまりいなかったと見えて、全国あちらこちらから頻繁に交配の依頼が来た。その頃はペットショップ、ブリーダーさんにも交配OKを取っていたので、「かのシーザーの直子です!」などと宣伝して子犬を販売しているサイトもあったようだ。
 今後の余生は犬舎で静かに過ごさせようと思っていたところ、「何歳でも良いです。オスでもメスでも、大きさも選びませんので里子に出していただけるプードルはいませんか」とお電話を頂いた。あれこれ条件を言ってこないことに好感を得た。それではと、「誰かいないかな~」と考えて浮上したのがシーザーだった。その方は同じマンションに当方からお譲りした子がいて、長年よく見ていたようだった。「とても可愛いティーカップの男の子で、最近18歳で亡くなったようです」とのこと。18年も長生きしたのだと思うと、丁寧にお育ていただいた飼い主様に心から感謝の気持ちが湧いた。
 翌日早速シーザーをお迎えに来てくださった。8歳でお譲りするのは初めてだったので、ちゃんと新しいファミリーに馴染んでいるだろうかと気がかりで、譲渡後何度もお電話をした。すると、日中仕事に出かけているときは、下の階に住んでいるお母様に預けてお世話いただき、夜は迎えに行って一緒に過ごしているとのこと。「もううちの子供達初めみんなに可愛がられてすっかり懐いております」とのこと。お母様も前にワンコを飼っていた経験がありワンコは大好きなので、シーザーを迎え入れて毎日が楽しいそうだ。
 この度は他の子も里子で県外にお婿入りすることに決まった。犬舎で一生を終えても不幸ではないと確信しているが、出来れば余生は一般の家庭の味を味わわせてあげたい。シーザーと同様幸せに過ごしてもらいたいと願っている。
 リビングにお産後の母子がいると産後のブルー?で母犬が神経質になるので気を使うのだが、しばらくいない時期があったためティーカップの女の子(子犬)を1Fに連れて来た。HPにアップはしていたが、譲渡が決まらなければ家でペットとして居てもらってもいいし・・と1か月一緒に暮らした。リビングに自由に放し、新聞紙を敷いた上にトイレシートを載せて部屋の端2か所にトイレコーナーを作った。年を取ると物事いい加減になるのかもしれない。特に躾けをするでもなく「おもらししたらしたでいいや」と大らかに構えていると、ちゃんとシートの所に行って用を足すのだった。「まあ、1,2度はまぐれもあるし」等と本気にしていなかったが、1週間、2週間経つうちにこの子は天才ではないかと思うようになった。何しろおしっこもウンチも完璧なのだ。どんなに遊びに夢中になっていても催すとダーッと走って行ってシートにする。かりんとうのようなウンチもしかり、ちゃんとシートに乗るようにうまい具合に落としてくれる。とうとうお譲り先が決まるまでの1か月間わずかにはずれたのは2回のみだった。それも本人はシートの上のつもりでもお尻がわずかにずれていたためだった。夜は一緒の布団に寝たが、ただの一度もお布団を汚すことはなかった。夜も電気を消した暗い中、匂いを頼りにシートにしてくれていた。
 全てに私の心をよくわかってくれる賢い子で、ワンコ達の世話で忙しい時間は大人しくケージに入っていてくれる。パソコンに向かえば私のお尻にぴたっとくっついて寝ていた。行く先々ついて来たが、踏みつぶす心配のみで煩わしいことはない。暑いので開けっ放しにしたトイレのドアの先からこちらを覗いては引き返し、また角から顔を出す可愛い仕草を今でも懐かしく思い出す。エアコンが寒いから暑いからと洋服を着せたり脱がせたり・・、煩わしいだろうに嫌がることもなく素直に着脱させてくれた。が、この子に先日ご縁があった。当方から当犬で3頭目のプードルになる。1頭目(ティーカッププードル)をご用命くださった時にお目にかかってお人柄を存じているので、何ら心配はない。譲渡して数日たつが、どんなふうに過ごしているのだろうか・・・、残されたトイレシートの黄色いシミに感極まって涙している私なのである(^_^;)


9月16日(日)

幸福のキューピットとして再び・・・

 虫の声がやたら賑やかになり、昨日はトンボに引き続きバッタにもお目にかかった。小さい秋が少しずつ大きい秋に進展しつつある。
 ナーサリーで世話をしていて何気なしにふと見ると、プードルの母犬が一生懸命子犬と格闘をしている。一見いい大人が自分の子供と対等に戦ってどうするんだい?と思うのだが、よく観察すると決してそうではないことが分かる。敵に挑み、身を守る術を子犬に教えているのだ。人間のように「まいった~」などと子供に負けたふりをすることは決してない。外敵からわが子の命を守るために真剣に戦い方を教えているのだ。それは同時に噛まれるとどう痛いかを体験させることにより外の者との共存を学習させる事にもなる。そして並行して咀嚼したご飯を吐き戻して子犬に食べさせるのだ。
 誰が教えた訳でもないのにその時期が来ると母犬は子犬の自立を促すようにそれらの行為を子に施す。その度に神秘的な感動を覚える。生後2か月過ぎを迎える頃にはおっぱいもあがり、また、歯がおっぱいに当たって痛いため乳を吸われることを嫌がって逃げたり、威嚇する。そうなるとまさしく親離れの自立の時がやってきた証だ。当方ではこうした自然の流れのままに子犬育てをする。が、媒体によっては生後40日頃にブリーダーから子犬をひき取っていくところがある。なぜならできるだけ小さいうちに売る都合があるからだ。だが、離乳まで親や兄弟とのかかわりから学ぶプロセスをスキップして心身ともに健全な子犬が育つわけがない。まだまだおっぱいにぶら下がっている時期、親兄弟から無理やり離されてショップのガラスケースに入れられ孤独な生活を強いられる姿は、他人事ながら想像するだに辛いものがある。ショーケースで多くの視線によるストレスを受けることは以前と変わりないが、この度の動物愛護法で譲渡の時期を生後2か月以降と改訂されたことはおおいに喜ばしい事だと思う。
 先日、14年前に当方よりプードルをご用命くださった方からお電話があった。ワンちゃんが2年前に12歳で亡くなったこと、亡くなったプードルはレッドだったが、思い出すのが辛いので今度は違う色のプードルを迎えたいとお話くださった。早速お出でいただきご検討くださった結果、この度はブラックのプードルをご用命いただいた。よもやま話をした折に、「確か14年前お子さんが大学先にダックスを連れて行ったとお聞きしましたが、その後どうなりましたか?」と聞かれた。「よく覚えてくださっていたな~」と思いながら、「大学、研修先、勤務先、そして結婚後もずっと一緒でしたが、そのダックスは昨年19歳で亡くなりました。」と話させていただくと、一緒に見に来られたお子さんも同じ道を歩んでおられるとのこと。以前当方に来られた時は小学生だったのだ。月日の経つのは早いもの、とても可愛がってくださったようで、中学、高校、大学・・・と思春期をレッドのプードルちゃんと共に過ごされたことを容易に想像できた。この度は、ワンちゃんが亡くなって以来寂しい思いをしているお母様のために新たにプードルを買ってあげようと再び当方に来られたのだった。何と親孝行なご子息であろうか。きっと厳しい受験を通り過ぎ、支えてくださったお母様への御礼に何かプレゼントをしたいと思われたからに違いない。
 親に物や食べ物をプレゼントするのはその時だけのことだが、ワンコは10数年間傍に居て心の支えになる。時に生きる喜びにもつながる。これほど素晴らしいプレゼントは他にあるだろうか。

 「良い親孝行ができましたね」、と言う私に、にっこり。帰り際、「これでまた楽しくなりそうです。」と呟いたお母様の一言が印象的だった。
ブラックのプードルはキュートなお顔でレッド・プーちゃんの後釜にお嫁入りして行った。引き続きあと十数年の幸福の矢を射とめるキューピットとして・・・。



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