アマンダおばさんの
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2007年12月
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12月23日(日)

<一期一会>

 ワンコ服とグッズのショップ『Passage Ambrosiaパッサージュ アンブロージア』が8日にオープンした。何人かの方がリクエストしてくださったが、名前を拝見すると当方からお譲りさせていただいたワンコのオーナー様方が多かった。何と有難いことだろうか、譲渡後もHPを見ていただいて応援してくださったのだな〜と思うと胸が一杯になった。お陰様でワンコ服、リード共好評で、「生地の品質、縫製がしっかりしている、また購入したい」との感想を多くいただいた。ワンコ服のショップはビジネスというより私のクリエイティヴな表現の場と言えるかもしれない。こんなのをわんちゃんに着せてあげて欲しいという私の願いだ。ちなみにPassage(パッサージュ)は通りと言う意味のフランス語でアーケードのようなものだが、ご存知のようにパリにはPassage de Panoramas<パッサージュ ドゥ パノラマ) Passage Jouffroy<パッサージュ ジュフロワ) Passage Vivienne(パッサージュ ヴィヴィエンヌ)Passage Shoiseul(パッサージュ ショワズール) Passage du grand Cerf(パッサージュ デュ グラン セール)他・・・がある。以前パリ訪問の折その一つを覗いてみたがあいにく(というか間抜けなことに)日曜日でどの店もクローズだった。何と言うパッサージュだったか記憶にないが雰囲気からするとPassage Vero Dodat(ヴェロ ドダ)のようだ。18c末〜19c前半のレトロでメローな雰囲気がとても素敵だった。ついでに「アンブロージア」は私の大のお気に入りだったヨークシャテリアのエミリーの血統書名である。
 話は変るが、最近ご愛犬を亡くされ、いたたまれずまたワンちゃんを飼いたいとお申し出いただくことが何件かあった。ある方は亡くなって3日、失った悲しみが止めやらず早くに同じ色のわんちゃんを、との要望に早々と子犬をお送りした。またある方も室内での事故で亡くされたようだ。お散歩中に大型犬に噛まれて即死というわんちゃん、つい最近も12年前に当方からヨークシャテリアをお求め下さったご主人様がご報告がてらまた同じブリーダーからヨーキーを求めたいと犬舎を訪れてくださった。かすかに見覚えのある壮年の方だったが、癌が発見されて3日で亡くなってしまったことをお話されるや否や声を詰まらせて男泣きに泣いておられた。男の方が愛犬のために泣く光景にはあまり出会ったことがないが、余程可愛がっていたのだな、と思うとそんな暖かい家庭で育まれていたヨーキーはどんなにか幸せな一生を過ごすことが出来たのだろうか、と感謝の気持ちがふつふつと湧いてきた。
20数年もワンコを扱っていると新たな生命の誕生と裏腹にその死にも直面する。10数年の寿命で亡くなる場合は「仕方がない」との思いで慰められるが、こと自分の不注意で亡くしてしまった場合は何週間もの間自責の念に囚われ欝になってしまう。何年前のことだっただろうか、犬舎の防音工事を頼んでいたときのことだった。折りしも自由運動の時間で隣の犬舎で打ち合わせをしていたが、話をするためドアーを閉めていた。ほんの10分ほどで打ち合わせは終わったが隣の犬舎に入ってみるとワン子達が騒いでいる。何か異様な雰囲気にハッとし慌てて駆け寄ると・・・、可愛い小柄なヨーキーが集団リンチに合い、もうすでに息をしていなかった。ちょうどカットに出したばかりで愛くるしいお顔のキュートなヨーキーだった。小さいお耳がピンと立ちお顔はまるで子猫のようなあどけない表情を呈していた。1.8kgくらいの小さい子だったので標的になるには疑いもなかった。ほんのちょっとと思ったことが取り返しのつかないことになった・・。できることならこの10分間を巻き戻してもとに戻したい・・・。純粋な瞳をぱっちり開け力なくうなだれている小さな亡骸を両腕に包み抱えながら階段のところで座りこみ何度も何度も「ごめんね、ごめんね」と悲鳴とも嗚咽ともつかない声で動かなくなったヨーキーを揺さぶっていた過去が今でもありありと思い出す。エミリーの直子だった。
 不思議なものでワンコは亡くなる直前まで尻尾を振っている。癌で亡くなったゴールデンのシオンは意識混濁の状態であったにもかかわらず遠くから駆けつけた子供たちの声に反応し確かに尻尾を振った。ほんの数時間前まで尻尾を振っていても安心は出来ないのだ。ワンコは尻尾を振りながら死んでいく・・・。
 生きとし生けるもの全てそうだろうが、今日生きていることが当たり前ではなく明日も生きているという保障はない。だからこそ「一期一会」一瞬一瞬を大切に、自分と自分の周りの人たち、ワンコたち、時間と空間を大切に大切に育んで生きたい・・・そう思うものであります。





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