アマンダおばさんの
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10月31日(土)

我が家のワンコ達>

母犬がごはんの入った食器を鼻でひっくり返している。「こらーッ」と叱りながらふと見ると、もうすっかり歩いている子犬の踏ん張っているお尻を、首を斜めに曲げながら一生懸命舐めている。ウンチを食べているのだ。もうそんなにしなくてもいいのにと思いながら見ているが、お構い無しに舐めたり引っ張ったりして処理をしている母犬の姿には改めてジーンと感動を覚える。<決して母犬を叱ってはいけないな、としばし反省の思い>  時にはウンチの世話をしている傍らで他に4頭もの子犬がおっぱいにぶら下がっている光景を目の当たりにすることもある。ワンコの母犬はなんて立派なんだろう・・・。何の屈託もなく文句ひとつ言わず黙々と子犬を育てている。極小のちび犬が大きい子にいじめられていても母犬は平然と構えている。「やめなさい!」とも「うるさい!」とも何ひとつ言わないで・・。ちび犬にはちびの、でか犬にはでか犬の人生(犬生)が待っているのだ、1頭1頭がその宿命に立ち向かっていかなければならない、ひとつひとつが本犬にとって必要な学びなのだということを母犬は本能的にわかっているのだ。精一杯の愛情を示し しかしよけいな手出しはしない、正に子育ての理想像がここにある。否、子育てだけではない、私たち人間が受け止めるべき生き方の筋道がここにある。人生、良い時ばかりではない、悪いことのほうが多いといった方が良いくらいだ。だが、それがその人にとってそれ以上でもなくまた、それ以下でもない必要なシチュエーションなのだ。人のせいにしたり、そうした状況を恨むことなくあるがままをまっすぐ受け取って、より良き方向に努めていくことが進むべき道なのだと改めてワンコ親子の情景が教えてくれる。
 現在、犬舎の子たちは、生後2ヶ月まで離乳食のトレーニングをしながら一緒のサークルで母犬や同胎犬と過ごす。感染症は一切発生していないのでワクチンは母体の免疫が切れる生後2ヶ月過ぎにゆっくりと初回のワクチンを接種する。ちょうどその頃になると母犬のおっぱいも出が悪くなる。子犬の状態によるがこの頃を機に親離れ、子離れする。その後は同じ兄弟、姉妹同士、一人っ子の場合は同月齢の子と一緒のサークルで生活する。間違っても決して一人ではおかない。2回目のワクチンが終了すると幼稚園クラスの広い室内で1歳まで他の子達と衣食住を共にする。
 かつてダックスをブリードしていたが、お問い合わせがくることがあまりないためショップさん行きになることが多かった。同じ空港に連れて行くのでも一般のファミリーに行き先が決まっている子の場合はほとんどが幸せになることが予想される(全員とは言い切れないが)。だが、ショップに行く子は早くに卸さないとショップが受け付けてくれないため、早い子では生後40日目で無理やり母親から離さなければならなかった。まだまだおっぱいが恋しい時期で、母犬からも兄弟の子達からも社会性を学ぶ大切な時期なのに。ダックスの子犬独特の愛くるしいあどけないお顔が正視できず、やむなく空港に連れて行かなければならない朝はシャンプーと空輸を主人にお願いした。とても可哀想で見ていられなかったからだ。きっとショップに行ったなら1頭1頭個別のショーケースで幾日も幾日もオーナーさんが決まるまで母犬やお友達犬との接触がないままずっと一人でいることを余儀なくされるのだろう。想像すると、何かわが子を身売りさせる親の気持ちになって良心の呵責に苛まされた。そんなこともあって現在ダックスはパイボールドの若い2頭を残すのみになり他〜十頭は全て里子に出した。きっとそれぞれの家庭でそれぞれの人生(犬生)を過ごしていることだろう。
 そうしたわけで今私のところに居るプードル、ヨークシャテリアはショップに行くことなく新しいファミリーが決まるまでずっと何ヶ月も私の羽がいの中で過ごしているのである。
 先日いつも通っている動物病院に検診に行くと「しかし、宮澤さんのワンちゃんは皆性格がいいですね〜」と言っていただいた。「暴れたり噛み付く乱暴な子はいませんよねー」(私)「そうですか〜」ふと見ると先生の腕は傷だらけ。隣の診察台ではギャー、ギャー言っているワンちゃんのけたたましいうなり声が聞こえてくる。これまでも幾度か違う先生に言っていただいてきたことではあるが、診察台で大人しく診てもらうのは当たり前と思っていたのに、褒めていただくとやはり嬉しい。
 そういえば時折出すトリミングサロンでも、迎えに行くと「ワンちゃん、とってもいい子でしたよ〜」「本当に大人しくて穏やかですね〜、宮澤さんちのワンちゃんは手がかからないです。」と褒めていただく。最初はお客へのリップサービスかと本気にしていなかった。だが、行く度に褒めていただくので(私)「でも他のワンちゃんも同じでしょう〜?」と言うと「いえ〜、そんなことないですよー・・・。宮澤さんとこのワンちゃんはわがままではないですね・・。」(私)「(そうか・・そうなのか・・。)」
 たまに血をはずすためにメス犬を他所に交配に出す。するとそこのブリーダーさんになついて家族と遊んでくるらしい。「主人のお腹に乗って遊んでましたわ。もう可愛くて可愛くて・・・うちの子にしたいくらいです!」交配帰宅後お礼の電話を入れると「〜ちゃん、帰ってしまってさびしいです・・。」と仰っていただくこともあった。
 他の所のワンちゃんがよく分からないので何とも言えないが、愛嬌が良い、神経質でない、人懐っこい、犬好きというのは私のところのワンコ達の特長かも知れない。全部が全部そうではないかもしれないが、各方面の方々にそう仰っていただくことはこの上なく有り難い事と嬉しく思っている。他所からお迎えになったワンちゃんが、臆病だったり凶暴だったり、また他のワンちゃんとなかなか馴染まない、怖がっているといった悩みを時折お聞きすることがある。それがどこに起因しているのかを考えるのだが、幼少期のトラウマが後々のその子の性格をそのまま形作っているのではないかと懸念するのはわたくし一人だけであろうか。
 生後数ヶ月経つ子、1歳近くの子、我が家には2ヶ月の赤ちゃんだけではない成長期の子達も在舎している。日中お仕事をしているご家庭にはお留守番とお散歩がすぐに出来る生後4ヶ月以上の子を、一方やはり小さい頃の可愛さを捨てきれないという方には2.5〜3ヶ月の子を・・・それぞれに選択が可能だ。いずれにしても我が家のワンコ達に大きいストレスはない、もちろんトラウマなどありようがない。皆のんびりとさながらに生きている。
 
いつかニーズが無くなれば閉じるしかないが、それまではワンコ達のために・・・何とかがんばろうと思う・・・。



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