アマンダおばさんの
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11月30日(月)

キャン オウプナーから思うこと>

当方のワンコ達のごはんは、ドッグフードのふやかしたものに缶詰をちょっと味付けに混ぜている。プルトップの缶詰の場合は不要だが、プルトップがない缶詰の場合1つ1つ缶切で切るのは面倒だ。そこで7年前インターネットで電気自動缶切を購入した。マグネットに缶をセットするとひとりでにくるくるっと回り1周すると自動的に止まる。この缶切、ドイツ製だが今まで一度も故障したことがない優れものなのだ。毎日毎日休むことなく5,6個位ずつ開け続けているのだが、切れ味も当初と全く変わらない。改めてドイツの技術の確かさと誠実さ発見した思いだった。
今から20年程前の話だったので、現在は変わっているかもしれないが、ボランティアで迎え入れたドイツからの訪問者から、ドイツでは、ある年齢になると技術コースといわゆる大学まで続くインテリのコースとはっきり分かれるとのこと。自分が何に向いているかを日本より一足年齢が早い時期に決定するようだ。その後それぞれ自分に合ったコースで磨きをかける。ドイツから来たある夫婦はご主人がルフトハンザの飛行機の整備士、奥様は、今は小さい2人の子供のお母さんなので主婦をやっているが(注;お子さんも一緒に連れてきた)、子供が大きくなったら結婚前に大学で専攻したものをより深めるために大学院に行く予定でいるという。収入は技術系がインテリ系より多いという点でバランスが取れているのだそうである。日本では、子供が何に向いているかを考えようともせず誰も彼もが大学進学を目指させ、「頑張れ、頑張れ」と言う。とりあえず大学に入ってその間に考えるという向きもあるかと思う。だが、好きでもない勉強を強制されるその間子供の苦しみはいかがなものかと考えると、私自身が左脳的ジャンルに全く興味が無いというか能力がなかったこともあって、同情の念を抱かずにはいられない。むしろ早い時期にその道の習熟に励んだほうが今の2倍は人生を楽しめたのではないかと思っている次第である。いずれにしても気の向かない勉強を強いられ、あるいは現状無視の多大な期待をかけられた結果、重圧に耐え切れずに親や兄弟を殺めてしまったり、横道にそれてしまったり、はたまた自殺をする若者が後を絶たない昨今には暗澹たる思いを拭えない。
そもそも人間は何のためにこの世に生まれてきたのだろうか。一人一人が世の中のお役に立つために生を受けたに違いない。神が存在するか否かはわからないが、きっと神が何らかの使命を与えて各人をこの世に使わされたのではないだろうか。とすると各人が違ってそれでいいのだ。では、何がその人に与えられたミッションなのだろうか、と考えたときに、それは言い換えれば「何をしているときが一番楽しいか」と、いうことに行き着くのではないだろうか。人は自分にとって楽しい!と感じられる時がベストタイムなのだ。楽しいと思える時にはその人の全能力が開花する。ある人にとってはお花をいじっているときが楽しいひと時に違いない、またある人にとっては楽器を演奏したり、歌を歌っている時が一番楽しいかもしれない、コンピューターに興味がある人、政治に燃える人、家事が好きな人、ボランティアに身を捧げる人・・・数え上げたら限がない。が、自分が心から楽しい!と思うことがイコールその人がこの世に遣わされた意味そのものであり、押しなべて楽しいことを他人に伝播することによってお人様の役に立つことになるのではないだろうか。
先日、友達の結婚式に出席のため長男が帰ってきた。2次会終了後、家で主人とお酒を酌み交わしながら四方山話に花を咲かせた。仕事はどうか?と聞く主人に、すかさず「ウン、楽しい。」と答えた長男。一瞬耳を疑った。48時間継続勤務の重労働、過労働なのにどうして楽しいのだろう? 消化器外科を専門に、1日1〜2回 月〜金まで主に癌の患者さんの手術に明け暮れている長男だ。帰宅後もよく病院に呼び出される。まるで私生活などないに等しい。苦労ばかりの辛い仕事とばかり思っていた。だが、長男の気持ちは違っていたのだ。「確かにきついことはきついし、チームのメンバーも夜中にまで起こされて、<こんな時間にオペかよ。> と、ぼやきながら集まってくるのだけれど、それでも何とかやりこなすのは皆やったあとの充実感その他で楽しいと感じているからなんだよ。」というその表情には余裕さえ現れていた。手術が楽しい、と言うとひんしゅくを買いそうだが、長男の弁を借りれば、患者さんや家族とのやり取り、最悪患者さんの死など辛苦を踏まえた上で、チームワークや手術の成功及び患者さんの回復等全般の流れを楽しいと感じているのだ。そして言うまでもなく「楽しい」と感じている最中はベストの力を発揮しているに違いない。
生きている今の瞬間が自分にとってベストかどうかをチェックする方法は、心の底から今が「楽しい」と思えるかどうか自らに問うてみることではないだろうか。


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Copyright(C) 2001 S.Miyazawa
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