アマンダおばさんの
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11月20日(日)

<夫婦>

 先日、東京在住の三男が、高校時代の友達の結婚式が仙台で行われるということで帰郷した。結婚し夫婦2人の三男だが、今回は嫁さんなしでの単独の帰仙、そして主人はその日1泊の同窓会に行くということで、久しぶりに三男と2人で過ごすことになった。前日から布団を干し、主人のならたまにしか洗わないタオルケットを柔軟剤まで入れて丁寧に洗い、寝る部屋を隅々まで掃除し花を飾り、お風呂をまんべんなく洗って・・・と万端整えて三男を迎えた。同じ用意するのでも何かが違う朝食作り。主人のならただのスクランブルエッグも、三男にはどこかのお返しにいただいた蟹缶(かにかん)を混ぜて入れたり、それプラス、サンドイッチも・・と、ベストを尽くしている自分に気が付いた。そうした時、ひょっとしてわたしは、主人より子供あるいは子供たちのほうが愛しているのではないかとさえ思ってしまった。
 式の二次会、三次会と三男が家に帰ったのは夜中の1時ごろだった。昼、予約していた近くのカフェレストランでランチをした。三男もいろいろな話題を振ってくれ、よもやま話に花が咲いた。数時間後、「じゃあね。有難う」と言って三男に差し出された手に握手をした。
 そして、「送らなくていいから」とドアーを閉めたその瞬間、私は何とも言えない寂寥感に包まれたのだった。三男が泊まった部屋を覗くときちんと前あったように片付けられている。ふと涙があふれ出てきた。素直で元気はつらつ、不良と呼ばれた生徒たちからも人気があった中学時代、高校は部活をしに行くところと、柔道に熱を入れていた高校時代。地元の国立大落ちに、主人の前で涙を流しながら「すいませんでした」と正座して謝った。浪人後横浜に飛び立った大学時代。
 子供達4人がいたあの頃は・・食事作りや受験など、それぞれにいろんな出来事があって大変だったけれど・・・、楽しかったなー、と過ぎ去った家族の賑わいを思い出しては胸がジーンと熱くなった。
 「ただいま~」翌日主人は同窓会から戻ってきた。いつものようにいつもの顔で。けれど留守中滞っていた仕事の連絡に余念がない様子、三男のことなどじっくり話ししたいのに、合間にかかってくる電話でさえぎられまともに話ができない。ちょっと不足に思った。
 しかしその時ふと思ったのだ。「ただいまー」、と元気に帰ってくる主人がいなかったなら今頃どうしていただろうかと。今は仕事で忙しくとも、いずれゆっくりと同窓会の事や三男との会話を話する時はすぐに訪れる。けれど主人がいなければ一人でぶつぶつとしゃべっては、返事が返ってこない会話に虚しさを感じていたのではないだろうか。あるいは主人ならきっとこう言うだろうと想像しては一人二役を演じるのだろうか・・・、と思ったとき、目の前に主人のいることが何と有難い事なのだろう、と思った。
 朝起きると主人はコーヒーマシーンで、出来立てのコーヒーを入れてくれる。「今朝(けさ)は寒かったねー!」と言うと「うんそうだなー」と答えが返ってくる。ふと、「「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ」 と言う俵万智さんの短歌がよみがえってくる。
 主人とはよく話をする。テレビの報道番組を見てはああだこうだ、アメリカの大統領選挙の結果を見てはどうなるんだろう、と意見を交わす。ドラマは最近再放送があって毎日見れる「チャングムの誓い」のビデオを一緒に見るのが恒例になった。つぎつぎ起こるいじめやハプニング、どんでん返しに「なんだろうね」とあきれながらもめげずに生きるチャングムに、主人も私もぞっこんだ。NHKのシリアスな問題提起にも主人と意見を取り交わして熱が入る。

 先日の「みんなの家庭の医学」のテレビ番組で、脳の活性化及び認知症の予防には、善玉ホルモンの活性化が必要で、「そのためには、夫婦の会話が大事なキーワードになると述べていた。ほとんど会話のないある夫婦のビデオを通して「おはよう」「いってらっしゃい」「ただいま」「おやすみ」等の挨拶を初めとして相手の目を見て褒め合うことを提案し実行してもらった。すると、四日間実践した後の検査の結果、二人とも記憶力が俄然増加したのだった。
 改めて認知症予防のため、ぼけ防止のため、主人とたくさん会話をしていきたいと思った。
 人と言う字は2本の線が寄り添ってできている。私には、この二本の線が「夫婦」のように思われてならない。たとえ愛する子供がいたとしても、いずれは親から離れ自立していく。そして伴侶を迎えればその伴侶のほうを大切に思うに違いないのだ。子供が巣立った後最後に残るのは夫婦だ。人生には子供を初めとしていろいろな人との出会いがあるが、最終的には夫婦が互いに思いやり、寄り添うことで人生は完結するのではないだろうか・・・。

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